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特典:ペルソナ設定の間違い

「ペルソナを設定しましょう」

スクールやコンサルで必ずと言っていいほど教わる内容です。でもこれ、根本的に間違っています。なぜそう言えるのか、順を追って説明します。

01 まず「スクールで教わること」を整理する

■ あなたもこう教わりませんでしたか?

マーケティングや集客を学ぶと、ほぼ必ずペルソナ設定の話が出てきます。スクールやコンサル、あるいはネットの記事でも定番の教えです。やり方はいくつかパターンがありますが、どれも根本的な問題は同じです。順番に見ていきましょう。

【パターン1:データから作る方法】

最もよく教わるやり方です。手順はこうです。

▼ ステップ1:材料集め

既存顧客のデータや現場の声を集めます。ペルソナは想像ではなく事実から作るべきで、以下のような材料を集めることから始めます。

・ターゲット顧客データ(年齢・業種・役職など)

・問い合わせ内容、営業ヒアリングの記録

・Webサイトの訪問履歴、検索キーワード、購入履歴

・レビューやアンケート回答の内容

▼ ステップ2:共通点の洗い出し

集めた材料から傾向やパターンを見つけます。複数の顧客データを横断的に確認し、よくある悩みや購入のきっかけ、比較検討時に重視されるポイントなどの共通点を抽出します。この共通項がペルソナの土台になります。

▼ ステップ3:人物化

抽出した共通点をもとに、具体的な一人の人物として設定します。

・名前(仮名)・年齢・職業・役職

・1日の行動や情報収集方法

・抱えている課題や不安

・購入・導入の意思決定プロセス

「集団」ではなく「個人」として描くことで、「この人ならどう考えるか」という視点が持てるようになり、施策やメッセージの方向性が具体化します。

【パターン2:理想客から入る方法】

「あなたが一番一緒に仕事したいお客さんはどんな人ですか?」とか「今いるお客さんで最高のお客さんはどんな人ですか?」から考えるやり方です。

これまで仕事をしてきた中で、楽しかったお客さん、単価が高かったお客さん、相性がよかったお客さんを思い浮かべて、その人をペルソナにしましょうという教えです。

感情移入しやすく、「自分が好きな人に向けて発信できる」という点で教えやすいやり方です。スクールやコンサルでもよく使われます。

【パターン3:過去の自分から入る方法】

「かつての自分をペルソナにしましょう」という入り方です。今の自分がすでに解決済みの悩みを持っていた頃の自分を思い浮かべて、その人物をペルソナにします。

「自分が通ってきた道だから、気持ちがよく分かる」「リアルな悩みが書ける」という点で説得力があり、特にコーチングやコンサル系のビジネスでよく教えられるやり方です。

読んでみてどうでしょうか。「そうそう、こう教わった」という方も多いはずです。むしろこれを丁寧に教えてくれるスクールなら、かなりしっかりしている部類に入ります。

でも、この3つのパターン、実は全部同じ問題を抱えています。

パターン1は「データを集めて見込み客のことを把握したのに、最後に無理に人物像に変換してしまう」

パターン2は「自分が好きな人=買う状態にある人とは限らない」

パターン3は「過去の自分は葛藤を抱えていたから解決策を買ったはずなのに、それを人物像に変換してしまう」

つまり3つとも、最終的に「どんな人か」という人物像を作ることが目的、ゴールになってしまっています。でも本当に必要なのは「どんな人か」ではないとしたら?なぜそれが問題なのか?そしてそもそも何を設定すべきなのか?

順を追って説明します。

02 そもそもペルソナとは何のために作られたのか

■ ペルソナはマーケティングのために作られたツールではなかった

そもそもペルソナは、マーケティングのために生まれたツールではありません。

ペルソナを考案したのは、アメリカのソフトウェアデザイナー・Alan Cooper(アラン・クーパー)です。Visual Basicの父とも呼ばれる人物で、1980年代にプロジェクト管理ソフトを設計する際、「どんな人が使うかを理解しないと、使いやすいソフトは作れない」という問題意識からペルソナを発案しました。UX(ユーザー体験)設計のための道具として作られたものです。

1998年に著書『The Inmates Are Running the Asylum』でペルソナを世に広め、UX業界では定番ツールになりました。そしてその後、マーケティングの世界にも「輸入」されていきました。

ここからが重要です。クーパー本人は、このマーケティングへの輸入を激しく批判しています。

2000年代初頭にMicrosoftを訪問したとき、ペルソナが完全に誤解されて間違った使われ方をしているのを目にして衝撃を受けたと述べています。彼はそれを「現実の180度の逆転」と表現し、自分のツールが歪められていることへの強い怒りをあらわにしました。

クーパーはインタビューでこう明言しています。「マーケティングのセグメンテーションと、インタラクションデザインのペルソナはまったく異なる目的のものだ。マーケティングは『どう売るか』のためのツールであり、インタラクションデザインは『どう使われるか』のためのプロセスだ。両者は根本的に違う」と。

つまりクーパーが批判していたのは、目的の違うツールをそのまま転用したことです。ペルソナは「誰がどう使うか」を理解するためのツールとして生まれました。それを「誰に売るか」を決めるツールとして使い始めた瞬間に、設計思想から外れています。だから課題解決型の商品のターゲット設定にペルソナをそのまま使うと、構造的にズレが生じます。

教えやすく、図解しやすく、それっぽく見える。だから広まった。でも使われ方は最初から間違っていました。

ではなぜ、向いていないのでしょうか。そこを理解するには「そもそも人はなぜ物を買うのか」という根本から見ていく必要があります。

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03 人が買う仕組み

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■ 人が物を買う理由は「欲求があるから」

人が物を買う理由は、突き詰めると一つです。欲求があるからです。

もっと稼ぎたい。きれいになりたい。認められたい。自由になりたい。安心したい。今の不安をなくしたい。理想の自分に近づきたい。

人は、こうした欲求があるから商品に反応します。

逆に言えば、どれだけ正しくても、どれだけ価値があっても、欲求につながっていないものは売れません。

「この学びは大事です」「これからの時代に必要です」「知っておいた方がいいです」と言われても、それだけでは人は動きません。なぜなら、人は「正しいから」買うのではないからです。

その先に、もっと売上を上げられる、不安が減る、自由な時間が増える、人から認められる、今の苦しさから抜け出せる——という欲求があるから動くのです。

人は情報そのものが欲しいのではありません。その情報によって、自分の欲求が満たされる未来が欲しいのです。

■ 欲求はマーケティングで作り出せない

ここで重要なのが、人の根源的な欲求はあとから作り出せないということです。

得をしたい、損をしたくない、認められたい、愛されたい、自由になりたい、安心したい、美しくなりたい、ラクになりたい、優位に立ちたい、理想の自分に近づきたい——こういった欲求は人間にもともと備わっています。

マーケティングとは、本来このすでに存在している欲求に接続することです。この欲求からズレたものを無理やり売ろうとすると、かなり苦戦します。

本当に反応が起きるのは、「これを学べば売上が安定する」「これを使えば毎日の不安が減る」「これを身につければもっと自由に働ける」というように、買い手の欲求とつながったときです。

■ ただし、欲求があれば何でも売れるわけではない

欲求があれば何でも売れるわけではありません。欲求には「強さ」があります。

「できれば部屋をきれいにしたい」「できれば英語を話せるようになりたい」「できれば健康になりたい」——こう思っている人はたくさんいます。でも、その全員が今すぐお金を払うわけではありません。欲求がまだ弱いからです。

人が本当にお金を払うのは、単に「そうなりたい」と思ったときではありません。そうなりたいのに、なれない。どうにかしたいのに、うまくいかない。自分なりに試したのに、解決できない。この状態になったときです。ここで初めて、人は解決策を探し始めます。

■ 売れるのは「欲求」ではなく「葛藤」まで起きている人

ダイエット商品を例にします。「痩せたいな」と思っているだけの人は、まだ買う状態ではありません。でも、ジムに通った、食事制限もした、YouTubeを見て運動もした、でも続かない、一時的に痩せても戻ってしまう、鏡を見るたびに落ち込む、このままではまずいと思っている——ここまで来ると、購買に近づきます。その人はすでに、欲求があるのに叶わない葛藤を抱えているからです。

集客でも同じです。「集客できたらいいな」と思っている人は、まだ買う状態ではありません。でも、SNS発信を続けた、広告も試した、紹介営業もした、セミナーもやった、でも売上が安定しない、何が正解か分からない、このままだと事業が続かないかもしれない——という状態になっている人は、かなり買う状態に近いです。

つまり、人が買うのは欲求があるからです。でも、もっと正確に言うなら、欲求があるのに、それが叶わず、葛藤しているから買うのです。

■ だから、属性を見ても買う理由は分からない

「30代女性・都内在住・会社員・健康意識が高い」という人物像を作っても、その人がダイエット商品を買うかどうかは分かりません。なぜなら、その人がすでに理想体型なら買わないからです。

逆に、年齢も職業も住んでいる場所も違っていても、「何度もダイエットに挑戦したけど続かず、自己流では限界を感じている」という状態なら、同じ商品に反応する可能性があります。

購買を決めるのは属性ではありません。その人が今どんな状態にあるかです。

【重要】

ターゲット設定で本当に見るべきなのは、年齢・性別・職業ではありません。何を望んでいるのか、その欲求はどれくらい強いのか、それを叶えるために何を試したのか、なぜうまくいっていないのか、その結果どんな葛藤を抱えているのか——です。

売れるのは欲求がある人ではありません。欲求があるのに、それが叶わず、悪戦苦闘している状態の人です。だから、ターゲットとは「どんな人物か」ではなく、「どんな欲求と葛藤を抱えた状態か」で定義する必要があります。

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04 ペルソナのどこが問題なのか

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■ ペルソナの問題は「人物像」に意識が向いてしまうこと

人が買う仕組みを理解すると、ペルソナ設定の問題点が見えてきます。

ペルソナの問題は、単に「年齢や性別を決めること」ではありません。

本当の問題は、本来見るべき「見込み客の状態」を、人物像に置き換えてしまうことです。

ここで言う「状態」とは、すでに購買直前になっている状態のことではありません。その人が、どんな理想を持っているのか、どんな欲求を抱えているのか、その理想がなぜ満たされていないのか、その結果どんな不満や葛藤を抱えているのか、何を試して、どこで行き詰まっているのか——という、見込み客の内側で起きている状態のことです。

マーケティングで本当に見るべきなのは、ここです。すでに商品を探している人だけを見つけるのではありません。まだ商品を探していなくても、すでに理想が満たされていない、すでに葛藤がある、すでに「このままでは嫌だ」という感覚がある——その状態を見つけ、そこに対して商品価値やメッセージを接続していく。これがターゲット設定で本当に必要なことです。

ところがペルソナ設定をすると、意識がどうしても「何歳か」「男性か女性か」「どこに住んでいるか」「どんな趣味があるか」「休日に何をしているか」といった「どんな人物か」に向かいます。

でも、反応が生まれる理由は人物像ではありません。反応が生まれるのは、その人の中に理想と現実のズレ、つまり葛藤があるからです。

▼ 問題① 属性は「見込み客の葛藤」を表さない

たとえば「30代・女性・都内在住・会社員・独身」というペルソナを作ったとします。この属性の人が全員、同じ欲求を持っているでしょうか。同じ葛藤を抱えているでしょうか。

そんなことはありません。同じ30代女性でも、すでに理想の働き方をしている人、今の仕事に強い不満がある人、副業を始めたけどうまくいっていない人、起業したいけど何から始めればいいか分からない人、そもそも今の生活に満足している人がいます。

属性は「どんな人か」は教えてくれます。でも「今、理想が満たされていない葛藤があるか」は教えてくれません。ここが決定的な問題です。

▼ 問題② 価値観やライフスタイルを加えても、まだ足りない

では属性だけでなく、価値観やライフスタイルまで細かく設定すればいいのでしょうか。「成長意欲が高い」「自分らしく働きたい」「カフェで仕事をするのが好き」——こうした心理的な情報を加えると、一見かなり深く理解できているように見えます。

でも、これでもまだ足りません。なぜなら、それも結局は「どんな人か」の解像度を上げているだけだからです。

大事なのは「自分らしく働きたい人かどうか」ではありません。大事なのは「自分らしく働きたいと思っているのに、今の仕事に縛られていて、抜け出したいけど何をすればいいか分からず葛藤している状態かどうか」です。前者はただの価値観です。後者は、商品価値を接続できる状態です。

▼ 問題③ 細かく作るほど、葛藤の中心からズレていく

ペルソナ設定では、名前・年齢・家族構成・趣味・休日の過ごし方・よく見るSNS・好きなブランドまで作り込むことがあります。情報が増えるほど、「この人はどんな人か」がリアルになります。

でも逆に、「なぜ今この人が反応するのか」が見えにくくなります。

「35歳女性。都内在住。広告代理店勤務。休日はカフェ巡り。Instagramで情報収集。丁寧な暮らしに憧れている」という人物像を作ったとします。たしかにリアルに見えます。でも、その人があなたの商品に反応する理由は、まだ分かりません。今の仕事に不満があるのか、副業を始めたいのか、集客に困っているのか、そもそも何にも困っていないのか——そこが見えなければ、刺さる言葉は作れません。

ペルソナを細かく作るほど、見込み客を理解している気になります。でも実際には、葛藤が抜け落ちた架空の人物像を作っているだけになりがちです。

▼ 問題④ 「売りたい相手」をペルソナにしてしまう

さらに危険なのが、売り手にとって都合のいい人物像を作ってしまうことです。

例えば、潜在意識講座を売りたいときに「経営者はお金を持っていそうだから経営者をペルソナにしよう」と考えたり、占星術講座を「占星術を学びたい人をペルソナにしよう」と考えるようなケースです。

一見ターゲット設定をしているように見えますが、実際には自分が売りたい相手を都合よく顧客に仕立てているだけです。

その人たちが本当に強い欲求を持っているのか、今それが叶わず葛藤しているのか、お金を払ってでも解決したい状態なのかが確認されていません。だから発信しても反応が弱くなります。

▼ 問題⑤ たまたま反応が出ると、さらに危険

もっと厄介なのは、こうして作ったペルソナでも、たまたま反応が出ることがある点です。たとえば「40代女性・自己投資意欲が高い人」と設定した中に、たまたま強い葛藤を抱えている人がいたとします。その人が商品を買う。すると売り手は「やっぱりこのペルソナで合っていた」と思ってしまいます。

でも本当は、ペルソナが当たったのではありません。その属性の中にたまたま、理想が満たされず葛藤を持った人が混ざっていただけです。だから次に同じペルソナに向けて売っても、再現できません。反応が出るときもある、出ないときもある、なぜ売れたのか分からない——これが、ペルソナ設定に頼ったマーケティングが不安定になる理由です。

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05 スクールで教わることへの反論

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■ 「でもペルソナって必要じゃないの?」への答え

ここまで読んで、こんな疑問が浮かんだ方もいるはずです。

Q「スクールでは『ペルソナがないと発信の方向性がブレる』と教わった」

A:ブレるのはペルソナがないからではありません。「誰のどんな理想と現実のズレに向けて発信するか」という見込み客の状態の定義が曖昧だからブレます。状態を明確に定義すれば、ペルソナがなくても発信の方向性は定まります。

Q「よなよなエール(ヤッホーブルーイング)はペルソナ設定で成功しているのでは?」

A:その通りです。よなよなエールはペルソナを活用したブランディングの成功事例として有名で、実際に機能しています。ただしそれには理由があります。

マーケティングには「顧客の意識レベル」という考え方があります。顧客が自分の問題・課題を認識しているか、あるいは解決策の選択肢まで知っているか、そのための商品まで知っているか、などのレベルによって、売り方や訴求が根本的に変わるという考え方です。

ビールを例にすると、「ビールを飲みたい」という欲求は多くの人が持っていて、解決方法も商品の選択肢も知っています。つまり欲求から購買までの間に葛藤もトライアンドエラーも生まれる余地がない、いわゆるコモディティ商品(一般化した商品)です。

この状態の商品では「課題を解決してあげます」という訴求は逆に機能しません。顧客はすでに解決できているからです。だから差別化の軸は「どんなライフスタイルの人向けか」という世界観・ブランドになります。よなよなエールが「ちょっとこだわりのある大人の、仕事終わりの一杯」という人物像で訴求しているのはそのためです。

これは古くはマルボロの広告が典型例です。「ワイルドな男が吸うタバコ」というイメージで世界的ブランドを作りました。タバコは課題解決商品ではないので、「このタバコを吸う自分」というライフスタイルを訴求して大成功した例です。

一方、このコンテンツで話しているのはコーチング・コンサル・講座・情報商品など、課題解決型のビジネスです。顧客は欲求や理想の未来があっても、自分では解決できず、何かを試しても解決できていないなど、葛藤の中で悪戦苦闘しています。ビールのようにコモディティ化している商品とは異なり、ライフスタイル訴求ではなく葛藤に刺さる言葉が必要です。つまり、土俵が違うということです。

もっといえば、よなよなエールはペルソナ設定で成功しているというよりは、顧客の意識レベルに応じたマーケティングを行ったから成功したと捉えるべきです。

Q「SNS投稿や広告コピーを書くときにペルソナを使っている」

A:書くときのイメージ補助として使うのはアリです。でもそれは「文章を書くときの道具」の話であって、「誰の理想と現実のズレに向けるかを決めるターゲット設定」とは別の話です。この2つが混同されているから「ペルソナは必要」という話になります。用途が違います。

Q「N1分析(一人の顧客を深掘りする手法)はペルソナと同じでは?」

A:N1は否定しません。むしろ積極的に使うべき手法です。ただし目的が違います。N1の正しい使い方は「その一人の葛藤・理想と現実のズレを深掘りして、同じ状態にある人たちを理解するため」です。一人を徹底的に掘り下げることで、葛藤の解像度が上がります。どんな言葉で苦しんでいるか、何を試してきたか、なぜうまくいかないのかが見えてきます。それを群衆全体への発信・設計に活かす。この目的でやるから意味があります。

ペルソナが「その人物に向けて設計すること」を目的にするのに対して、N1は「見込み客の状態」を理解するための手段と捉えると良いです。

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06 本当に設定すべきもの

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■ 本来やるべき順番は逆

本来やるべきことは、「どんな人物に売りたいか」を先に決めることではありません。

先に見るべきなのは、市場の中に、どんな強い理想があり、その理想を阻んでいるどんな壁があるのかです。

ターゲットとは、特定の一人の人物像ではありません。ターゲットとは、同じ理想を持ち、同じ壁の前で止まり、同じ葛藤を抱えている人たちです。

たとえば「年商1000万円の壁を超えたい人」という切り口があったとします。ただし、これは「年商1000万円前後の人をターゲットにしましょう」という意味ではありません。それではただの属性設定と変わりません。

本当に見るべきなのは、その人たちがどんな理想を持ち、何を試してきて、どこで止まり、どんな言葉でその壁を語っているのかです。

たとえばリサーチの中で、「SNS発信はやっている」「講座やセミナーも作った」「LINE導線も用意した」「個別相談もしている」「でも毎月の売上が読めない」「単発では売れるけど、安定しない」「結局、紹介や既存客に頼っている」「年商1000万円あたりから、どう伸ばせばいいか分からない」という声が繰り返し出てくるなら、そこには共通した葛藤がある可能性があります。

この場合に見るべきなのは「年齢」や「性別」や「職業」ではありません。年商1000万円の壁の前で止まっている人たちに、共通してどんな「理想と現実のズレ」が起きているのか(=どんな壁があるか)です。

もっと売上を伸ばしたい。でも、今まで学んできた方法では伸びない。発信も導線も商品も作っている。でも、なぜか安定しない。努力不足なのか、商品が悪いのか、発信が悪いのか、それともマーケティングの前提そのものがズレているのか分からない。

このように、同じ壁の前で止まり、同じような葛藤を抱えている人たちが市場に一定数いる。ここを見つけることが、ターゲット設定です。

逆に言えば、頭の中で「35歳女性、都内在住、休日はカフェ巡りが好き」という人物像を作っても、この壁は見えてきません。

ターゲットは、頭の中で作るものではありません。市場の中から、同じ壁の前で止まっている人たちを発見するものです。

最初に決めるべきなのは、属性ではありません。最初に発見すべきなのは、同じような理想を持ち、同じような壁に阻まれ、同じような葛藤を抱えている人たちです。

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07 やってみる:状態設定ワーク

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■ 自分のターゲットを状態で定義してみましょう

以下の問いに答えながら、自分のビジネスのターゲット状態を言語化してみましょう。属性ではなく状態で書くことを意識してください。

▼ ステップ1:見込み客の欲求を書く

その人が本当に望んでいることは何でしょうか。「〇〇したい」「〇〇になりたい」の形で書きます。できるだけ具体的に。「お金持ちになりたい」より「毎月安定して50万円稼ぎたい」のほうが解像度が高いです。

(例)集客を安定させて、毎月の売上を安定させたい

→ あなたの答え:

▼ ステップ2:欲求の強さを確認する

書いた欲求を3つの軸で確認します。どれか一つでも弱ければ、市場として成立しにくいです。

① 切実さ:お金を払ってでも解決したいレベルか?

② 広さ:この欲求を持つ人が十分な数いるか?

③ 持続性:一時的なブームではなく、来月も続く欲求か?あるいは、同じ壁に阻まれる人が繰り返し出てくるのか?

▼ ステップ3:葛藤・悪戦苦闘を書く

欲求があるのに叶わない状況を具体的に書きます。何を試して、なぜ上手くいっていないのか。ここが一番大事な部分で、深く書けば書くほどターゲットの解像度が上がります。

(例)SNS発信を毎日続けているがフォロワーが増えない。広告を試したが費用対効果が合わない。紹介頼みで安定しない。何が正解か分からず迷走している。

→ あなたの答え:

▼ ステップ4:同じ壁の前で止まっている人たちを一文で定義する

1〜3をまとめて「状態」として一文にします。年齢・性別は入れなくて大丈夫です。「どんな欲求があって、どんな葛藤を抱えているか」だけで書きます。これがペルソナの代わりになるターゲット定義です。

(例)「集客を安定させたいと思っていて、SNSや広告など複数の方法を試したが再現性がなく、毎月の売上が読めない状態に疲弊している人」

→ あなたの答え:

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